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これは、1954年に出版されると同時に本人の引退というショッキングな話題を呼んだ、
エルザ・スキャパレリの自伝です。
ショッキング・ピンクという色を発明したスキャパレリ。
1930〜40年代にシャネルとともにパリのオートクチュール界の女帝として君臨した、
最も創作力ある個性的なモード界のシュルレアリスト。
通称スキャップ。
サルバドール・ダリやジャン・コクトー、マン・レイ、
彫刻家のジャコメッティたちとの交流を深め、
アートとファッションの融合を図ったアバンギャルドの権化。
(シャネルは、彼女の才能に嫉妬していたとか?)
(参考:『シャネル VS スキャパレリ』)
彼女のメゾンで働いていたデザイナーには、ピエール・カルダン、ジバンシィらがいます。
生まれた時に女の子だったのをガッカリされて、名前も用意されていなかった彼女は、
特にファッションを志していたということでもなく、
むしろ詩人が生きるために展開したお商売のひとつがファッションだった、という感じ。
スキャパレリの言う「女性のための十二戒」
1. 自分自身を知らない女性が多いが、知ろうとするべきである。
2. 高価なドレスを買っては取替え、よく悲惨な結果になる女性は、
無駄遣いをしているし、ばかである。3. たいていの女性、および男性は色がわからない。
忠告を求めるべきである。4. 覚えておいてほしい–女性の20%は劣等感を持っている。
70%は幻想を抱いている。5. 90%は、自分は派手なのではないかと悩み、
人にどう言われるか気になっている。
だから、グレーのスーツを買う。
思い切って違うものを選んでみるべきである。6. 女性は適格な人物の批評や助言を聞いたり、求めたりするべきである。
7. 服を選ぶときは、ひとりで選ぶか、男性と一緒に選ぶべきである。
8. 女性とふたりで買い物をしてはならない。
故意もしくは無意識に、相手にしっとすることになりやすい。9. 買うのは少しだけにする。
そして一番いいもの、もしくは一番安いものを買うべきである。10. ドレスを体に合わせるのではなく、ドレスに合うよう身体を鍛えること。
11. 自分のことをわかっていて尊重してくれるような店、
主に一軒で買うべきであり、流行を追い回そうとしないこと。12. そして、支払いは自分ですること。
ん?と思うところがないわけではありませんが、
「我が意を得たり!」と思うところもありますね。
(2013年、彼女の名前を冠したブランドが復活しています。)
『シャネル 人生を語る』:激しく強く生きた人も、ぜひご覧ください。
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