『キンキーブーツ』:「勇気・元気・覇気」の源


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イギリスの田舎町にある、実在する紳士靴メーカーの話を基に作られたミュージカル。代々、機能的で地味な男性用の靴を作ってきたプライス家は、今にも倒産しそう。父の跡を継いだ青年チャーリー・プライスは思いもよらない人物をコンサルタントとして迎え、意見を求める。ドラァグ・クイーンの考える、常識破りで大胆なデザインは、古い工場に新しい風を吹き込む。彼(彼女?)は調和するためには“際立つ”ことが大事だと言うのだ。

ビジネス再生の物語であると同時に、二組の「父と息子」の間にある葛藤、
ジェンダー・バイアスへの提議など、テーマがうまくミックスされています。

ドラァグ・クイーンによるショーの場面は、最高!
「性別より勇気でしょ?」というセリフも効きます。
挨拶で、「紳士、淑女の皆さま」の後、
「そして、まだどちらにするか迷っている皆さま…」と続くのもいい。

「勇気・元気・覇気」は自らの手で引っ張り出すものだなぁと、また改めて思います。

音楽が素敵なので、サントラも買いました。

“Yes Sir I Can Boogie”という曲がカッコいい。

 

…泣ける。

ドラァグ・クイーンを演じるキウェテル・イジョフォーは、
『それでも夜は明ける』(12 Years a Slave)でも主役として好演。

Enjoy your life!

 

『You Raise Me Up』:勇気と励まし 

 

曲、そして歌唱の素晴らしさだけでなく、
この街角のシチュエーションがいい。

聴いている人たちの様子、表情、時に涙する姿。
わたしも目が潤いました。

誰かの行動が思いがけず、誰かの勇気や励ましとなる。
それはやはり「祝福」だと思います。

Enjoy your life!

 

『博物誌(ルナール)』:小さくも壮大な世界を見る目


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著者は「にんじん」を書いたジュール・ルナールです。

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(「にんじん」と「博物誌」は青空文庫にも公開されていますね。)

以下、「博物誌」から引用します。

「蜘蛛」
髪の毛をつかんで硬直している、真っ黒な毛むくじゃらの小さい手。
一晩じゅう、月の名によって、彼女は封印を貼りつけている。

「蝶」
二つ折りの恋文が花の番地をさがしている。

「蟻」
一匹一匹が、3という数字に似ている。
それも、いること、いること!
どれくらいかというと、333333333333……ああ、きりがない。

「鳥のいない鳥籠」
僕のお蔭で、そのうちの少なくとも一羽だけは自由の身でいられるんだ。
つまり、そういうことになるんだ。

俳句にも似た観察。
圧縮され、そして開放された表現。
これが、彼の目が見た世界の一部、なのですね。

わたしはフランス語を日本語に訳したものに魅かれるのですが、
この本も間違いなく、その一冊です。

 

『南方マンダラ』:深淵をのぞく時

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超人・南方熊楠(1867:慶応3年 – 1941:昭和16年)。

彼がどこに、そしてどこまで手を伸ばそうとしていたのか、わたしにはわかりません。

ただ、いくつかの手がかりは、この本にあります。
表紙の右上に描かれているくしゃくしゃの何かが、いわゆる「南方曼陀羅」です。

宇宙の不思議を明かそうとしていたのだろうとは思います。
アインシュタイン(1879年 – 1955年)あたりとチームを組むことができれば、
もう少しわかりやすいものになったかもしれませんね。
(年も近いですし。)

わからないものに対する態度、これを学ぶということが学問の髄なのだと思います。
そういう意味で、この本はわたしの「お気に入り」です。

 

『コラボレーションの極意―協動を導くための5つのスキル 』:「自分から始める」と「リレーションシップの型」


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コラボレーションを築くためには以下の10の戦略がある。

として・・・

1.まずは自分から始める。

とあります。

コラボレーションに限らず、「ルール・その1」だと思います。

***

「一人で行けば、目指す目的地により早く辿り着ける。
誰かと行けば、より遠くの目的地に到達できる。」

そんな言葉もあるそうです。

必ずしも、一人で行けば早く辿り着けるということではないでしょうが、
誰かと行けば、より遠くの目的地に到達できるというのは、
確かにそうかもしれないなと思います。

わたしはチームで仕事をする際、
メンバーと『コラボレーション/アシスト/サポート/ヘルプ/レスキュー』という
「リレーションシップの型」を概念として、また言語として共有しています。

これは、関係性や創造性を段階的に表す言葉であり、その時の状況を表すものでもあります。
(状況というのは、変化する事態や緊急性を示す用語でもあるということです。)

例えば、関係性や創造性という点では、メンバー間のリソースのインプット(提供)の割合は、
以下のようなイメージです。

コラボレーション(協働) 5:5
アシスト    (補助) 6:4
サポート    (支援) 7:3
ヘルプ     (援助) 8:2
レスキュー   (救助) 9:1

場やプロジェクトに対する、自分のアウトプットと相手のアウトプットの割合が、
コラボレーションの場合は、五分五分で協働している状態、
レスキューの場合は、相手も頑張っているけど、お手上げ状態で、救助の必要があるということです。
(緊急性で言うと、最も急を要する事態と言えるでしょう。)

この「リレーションシップの型」をチームで共有することで、
メンバーに「今、一時的にヘルプが必要!」とか、
「いつも、よいサポートをありがとう!」と言うことができます。

更に、今後チームとして、どのような関係性を築いていくのかについて話し合ったり、
今の状況から予測されるリスクへの準備ができます。

今、あなたのチームの、その場面に必要なのは、
どのようなリレーションシップですか?

リレーションシップの型を理解することで、メンバー全員の動きが変わってきます。
より能動的に、機能的なチームへの進化が望めるでしょう。

 

『響き合うリーダーシップ』:Leadership Is an Art


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リーダーシップのアート(技、技術、芸術)とは、メンバーの才能を磨き、解き放ち、
もっとも効率よく人間味のある方法で発揮させること。

リーダーは、そのために奉仕し、多様性を活かし、「場」を創造する。
また、そのことによって、資産と遺産を残さなければならない。

***

本の中にアセスメントやチェックリストがありました。
一部を紹介します。

リーダーシップが「衰退する兆候」として…
・判断、経験、分別に関して自信を失う。
・気品、スタイル、礼節を失う。
・ことばに対する敬意を失う。

「シニア・マネージャーへのリスト」として…
・あなたの年次計画と照らし合わせて、自分が成し遂げたと思うことを
 1~2ページで簡潔にまとめてください。
・あなたのマネジメント哲学を1ページ以内でまとめてください。
 来年はどんな生涯教育や能力開発を考えているか、個人的な計画を説明してください。

表紙の「音叉」がわかりやすいですね。

「響き合ってますか?」
…でしょうか。