『ドライヴ』:「覚悟」か「決断」か「本能」か

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天才的な運転技術を持つ寡黙なドライバー(ライアン・ゴズリング)は、昼間は映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手。ある晩、仕事を終えたドライバーは、同じアパートに暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)とエレベーターで乗り合わせ、恋に落ちる。次第に親しくなっていく2人だったが、ある日、アイリーンの夫スタンダード(オスカー・アイザック)が、服役を終え戻ってきた。

ひと言で言うと、「恋に殉死」がテーマでしょうか。
音楽も美しい。
とにかく、スタイリッシュで参ります。
「間」も、いちいち切なくて困ります。
そこにあるのは、「覚悟」か、「決断」か、「本能」か。

わたしにとって、いい映画は、お話の前後左右を想像させるものです。

描かれてない主人公の生い立ちや、
己れのスキルだけを頼りに生きる、その姿勢を獲得した経緯、
大切なもの以外は捨てるという方針。
それらにまつわるあれこれに対する想像と妄想。
また、このお話の別バージョンや、その続きなど。

原作も読みました。

映画とは時間の組み立てが違いました。

 

サントラも激しくいいです。
連れて行かれるので、要注意ではありますが。

「覚悟」か、「決断」か、「本能」か、です。

 

『ラ・ラ・ランド』:夢と成功と幸せ

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夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ。いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる。
(タイトルは、ロサンゼルスと「現実から遊離した精神状態」を意味する、とのこと。 )

音楽はもちろんのこと、インテリアや衣装も素敵で素敵で素敵です。

全体的にカラフルで、60年代風の映像なのですが、
登場人物たちがスマートフォンを使っているから現代の話だとわかります。
そのことで逆に時代感がなく、ファンタジーのように見えます。

冬・春・夏・秋。
夢と成功と幸せのすれ違い。
でも、正解はわからない。

「あなたは夢を変えて、大人になった」という台詞もありましたが。

そして5年後の冬。
それぞれの夢、それぞれの成功、それぞれの幸せ。

初めて会ったときの曲で、もう一つの宇宙を見せる仕掛け。
(じんわりします。)
二人の夢と成功と幸せが一致する世界。

これはハリウッドが見せるべき夢だと思いました。
(お話として思い出したのは、藤沢周平の「蝉しぐれ」だったのですが。)

それにしても。
エマ・ストーンのお人形さんのようなスタイルの良さ。
そして、この映画を機にピアノを始めたらしいライアン・ゴズリングのミュージシャンぶり。
(二人とも、ダンスが上手すぎないのがいいのです!)

参考:グリフィス天文台

素晴らしいオープニング!

 

サントラもいい!

 
踊りましょう!