アン・ハサウェイが着るグリーンのコートが、とても素敵だった…。
『プラダを着た悪魔』は、キャリア」について考えさせる、いい映画です。
わたしは、この作品をアン・ハサウェイが演じるアシスタントの立場でしか観られない人とは、
一緒に仕事ができないなぁと思っています。
メリル・ストリープが演じる編集長の姿が、単に「怖い人」としか映らないのであれば、
それは、あまりにも “small world” です。
ぜひ、あの上司の目線でも、この映画の世界を観てもらいたいのです。
彼女がどんな風に責任のある大きな仕事に立ち向かっているのか…。
経営責任者と従業員の視点・視座・視界は違います。
経営責任者は従業員の見ている世界を想像できるでしょう(できないとまずい)が、
その逆は難しいのかもしれませんね。
でも、その想像力不足が自らの可能性にも制限をかけるものだとしたら?
メリル・ストリープの抑制の効いた演技は、とてもクールで、
部下に指示を与える際の “That’s all.” というセリフなどは、真似たいほど。
一生懸命に働く先輩アシスタントが、“I love my job!” と言っていたのも心に残ります。
この映画を観た後は、いつもよりお洒落をして、バリバリ働きたくなる、
そんな効果もある作品です。
原作の著者ローレン・ワイズバーガーは、
その先輩アシスタントのエミリー・チャールトン(エミリー・ブラントが演じた役)の10年後を
描いた作品『The Wives』を上梓したばかり。
夫とともに郊外に引っ越したエミリーは、
今度はセレブリティのダメージ・コントロール専門家として働くそう。
これも映画になるのかな?楽しみです!